tennis365.net テニス365ブログ 新着記事を読む ]    [ テニス365 ホームショッピングニュースログイン ]

[Another Side of Tennis] 木曜更新 毎週木曜日発行 無料テニスメルマガ[REC TENNIS EXPRESS]連載 テニスエッセイ

最近の記事
今後はメルマガで!
07/28 13:10
Scene 124 …
07/13 00:01
Scene 106 …
03/09 00:01
Scene 104 …
02/23 00:01
Scene 102 …
02/09 00:01
Scene 100 …
01/26 00:01
Scene 98 […
01/12 00:01
Scene 88 […
11/03 00:01
Scene 87 […
10/27 00:01
Scene 85 […
10/13 00:01
カテゴリ別アーカイブ
このブログサービスは「テニス365 テニスブログ」で運営しています。テニス365会員なら無料でご利用・作成いただけます。






Scene 43 [100万$ナイト]

[Another Side of Tennis]
坂東 海

Scene 43
[100万$ナイト]

“早くから、早くから前の方に詰めかけてくれた人達、それから、最後まで後ろで2階で3階で我慢してくれたみんなに感謝してる、ありがとう
今夜のこのコンサートに来てくれた全ての人達と、それから逝ってしまったジョン・レノンのために、隅々まで届く様にやるからね”

1980.12.9、日本武道館、甲斐バンド。
俺はアリーナS44で、彼女とこのMCを聞いていた。
圧倒的な本編からアンコール、そしてダブルアンコール前のMC。
俺達は、ジョン・レノンとは聞き取れなかったが、死んでしまうんじゃないかと思う位体を軋ませて唄う甲斐の姿に何かを感じた。

彼女と高田馬場で別れ、電車の扉にもたれていた俺は窓に写った誰かのスポーツ新聞の見出しを見て凍りついた。
“ジョン・レノン射殺される”
白の10cmのスタックヒールをはいて、青のベッチンのジャケット、赤のサテンのネクタイなんてなりをしてたガキの俺は(Rockな奴は皆殺られる)と辺りを見回した。

12月になるととってつけた様にジョン・レノン追悼Liveが開かれたりする。
そんな中でHOBOS JUNGLEというバンドはジョンの命日の12.8でなく、12.9に毎年追悼Liveをやっていた。
“ジョンが死んだのは日本じゃ12.9だったから…”
そんな優しいこだわりに俺は共感したのを覚えてる。

昨夜たまたま入ったBarで、俺の隣で酒を呑んでた男は、アースの”セプテンバー”が流れる中こんな事を口走ってた。
「プロからジュニアまでアメリカ遠征の拠点となる場所をアメリカに作りたい」
「ジュニア育成には金がいる。大人にテニスの楽しみを教える事で得た金をそれに注ぎ込みたい」
あんたもこだわって生きているんだな。
“タフでなければ生きて行けない。だが、優しくなければ生きる資格がない”
チャンドラーのあの台詞を思い出すよ。
又あの店で会えるといいな。
ただ「お前がエキサイティングになれるのはなんだ」なんて説教はやめてくれ。

1W.72nd Stでジョンが倒れてから24回目のクリスマスが来る。

“12月 街はクリスマス気分 あちこちから想い出したようにジョンの声 そして俺ときたらいつもこのごろになると 何かやり残したようなやわらかな後悔をする”12月/SION

2004.12.18
Dougenzaka
KAI | 投稿者 坂東海 00:01 | コメント(0)| トラックバック(0)

Scene 41 [LIFE AS A LIVE]

[Another Side of Tennis]
坂東 海

Scene 41
[LIFE AS A LIVE]

いつだっただろうか。
ある女性テニスコーチが有望な若手男子選手とアメリカをツアーした話を聞いた。
日本ではまだ知られていない選手だったが、彼女はダイアモンドの原石の様な才能に惚れ込み、彼と渡米。
結果は彼が蒸発してThe End。

アメリカの関係者の反応は、「彼にはツアーを回る才能がなかったんだね」
テニスの才能がある奴は掃いて捨てる程いる。
それを転戦しながら発揮出来るのがプロ。
ミュージシャンもメジャーリーガーも、あの広大なアメリカ大陸をツアー出来なければ、サクセスストーリーの序章さえ始まらない。
Sex & Drugs & R&RのイメージでブレイクしたGUNS N' ROSESもブレイク後は毎晩のパーティー三昧の暮らしを改めたと言う(本当かどうかは怪しいが)。

好きなだけで、なりたいだけでプロにはなれないし、食って行けない。
俺達は本当に夢に向かって全力で闘っているんだろうか?
好きな事だから全力で取り組めて、ハードルが上がって行く事を楽しるはずなのに、(まあいいや、今度にしよう)と明日に先送りしていないだろうか?
そんな明日は永遠に来ない。

“将来の為に生きてる訳じゃない。俺達は今日を毎日生きている”Joe Strummer

“お前の代わりはそれこそ捨てるほど溢れてる、だけどお前にお前の代わりは一つもない”この夜に噛みついて/SION

女性コーチはその後も、日本から世界のトップ選手を出そうと精力的に活動し続けている。
町のテニスコートからグランドスラム会場と彼女が強い意志を持って動いている様子を見聞きすると頭が下がる。
俺は貴女を尊敬する。
貴女が日本テニス界にいて良かった。

2004.11.24
Kasuya
SION | 投稿者 坂東海 00:01 | コメント(0)| トラックバック(0)

Scene 40 [ジャケ買い]

[Another Side of Tennis]
坂東 海

Scene 40
[ジャケ買い]

パーティーシャッフルにしたiTunesが、オーケストラの弦に合わせて歌うしゃがれ声をチョイスした。
勿論自分が好きでiTunesに入れてある曲。
けだるく何もない昼下がり。
最後のビールを呑み干して、聴くでもなく聴かないでもなくボーッとしていたら、3番辺りでふと言葉が耳に飛び込んで来て一気に心まで達した。

“病室の窓の向こう 冬の匂いするバス停で 若い二人が 寄り添ってる
眠ってるお前の 顔を見てるだけで 涙がこぼれそうだ これじゃ逆だな 全部謝りたくなる これじゃダメだな 早く家に帰ろうな お前が好き”お前が好き/SION

何でかわからないまま独り嗚咽してる自分に驚く。
感性が理性に勝った瞬間とでも言うのだろうか。
そんな時の自分は信用出来る。

CDを買う時に、ジャケットで買った事がある人の感性は素敵だと思う。
「ジャケ買いしたら大当たり!」
「ジャケ買いしたら外しちゃってさあ!」
そんな会話は楽しい。
平台に積んである”売れ筋”CDのみを買って行く人はどうも虚しい。

TOM WAITSの[Blue Valentine]は見た瞬間にジャケ買いしてた。
その時はLPで、当然ジャケットもデカク、光沢もあったのだが、カバー写真だけでなくそれらの要素も全てカッコ良かった。
今CDのジャケットになっているのを見たらどう感じるのか?

テニスプレーヤーだとこの手の事はどうなんだろうか?
ウェアは流石に流行がありながらも、自分の趣味が出るはず。
ではラケットは?

店の奴の言いなりでなく、自分が打った感触で選ぶのが一番なのは間違いない。
見た目の好みで選んでも、強そうなラケットは硬く、可愛いラケットは柔らかいんじゃないかな?
そんな選び方はどうかな?
でもCDのジャケ買いとは値段が違い過ぎるか。

今夜ちょっとした祝い事があってレストランに行ったら、ボジョレー解禁日。
普段はそんな流行り物は無視するんだが、解禁日に惹かれて頼んでみた。
もともと「ワインはあーだのこーだの」言わないんで、美味くも不味くも感じなかった。
やっぱ大好きな、安いスパークリングワインにしとけば良かった…。

2004.11.18
Tanashicho
SION | 投稿者 坂東海 00:01 | コメント(0)| トラックバック(0)