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Scene 77 [異端児]

[Another Side of Tennis]
坂東 海

Scene 77
[異端児]

ヘルシンキでの世界陸上女子マラソンはラドクリフの優勝。
彼女の走り方は目が離せなくていい。
初めて観たのがアテネでの途中棄権だったからか、いつ止まってしまうのかというスリリングさでついつい応援してしまう。

でも彼女はれっきとした世界記録保持者。
2002年4月に世界記録2時間18分47秒にあと9秒のマラソンデビュー。
そして同じ年の10月に、2時間17分18秒の世界新記録樹立。
翌2003年4月には2時間15分25秒と、又自分の世界記録を塗り替えた。
今考えれば、アテネは確かに苦しかったのだろうけど、優勝しても同じ走り方だったんだよな。

マラソン選手の走るスピードはTV観戦じゃなかなか実感出来ない。
俺はガキの頃、当時の彼女と神宮外苑をブラブラする事が多かったんだが、あそこは全盛期の瀬古選手の練習場所で、俺等が手をつないで歩いてる脇を彼が何回も走り抜けて行ったのを覚えている。
速かったよ、とにかく。
あれで42.195km走るんだもんな。
話しは脱線するが、その頃始発かなんかで青山にチケットを買いに行った時に、ビクタースタジオの裏手辺りだったかなあ、あの辺で、下宿から外苑に練習に向うんであろう彼を見かけて、違う世界の人と感じたっけ。

さてラドクリフだ。
彼女の走りは、デビュー前はやはり“専門家”に「あのフォームじゃ…」と酷評された。
自分が通って来た固定観念、既成概念だけで、偉そうにしたり顔で物を言う奴はどの世界にもいるって事だ。
テニス界で今のトッププレーヤーのプレースタイル、フォームを10年前に予測、あるいは予感していた者はどれ位いるのだろう。
昔は軟式テニス出身者は例外なくグリップを薄く持ち替えさせられたが、Tennis Kidsがパワーとコントロールを追い詰めて行った結果、今じゃグリップは小学生でも硬式テニスの方がはるかに厚い。
極論、予測や予感は出来なくても、子供達の本能的な動き、斬新な発想を妨げない柔らかい頭がまず大事なんじゃないかね。

そう言えば、ロディックのシンプルなサーブのテイクバックは昔なら殆ど見なかった形だが、1970年代後半のビッグサーバー、ロスコ・タナーと似ている。
タナーは全豪優勝、全英準優勝の戦績を持ちながら、当時はまともに評価されてなかった気がする。
あの時代に220kmってのが速過ぎたのかなあ。
それにウッドラケットで、しかも天然芝の全英決勝でフルセットで勝っちゃうボルグも凄いんだが。

ところでラドクリフの走り方は“トカゲ型”と言うらしい。
これは、“フォームは左右対象が良い”と考えているタイプには、“競走馬が前脚と後脚がぶつからない様に、軸と進行方向が一致しないで斜めに走っている事実、高橋尚子選手も同様って事から考えてみなよ”って感じの理論だが、難しいねえ。

世の中には役割分担があるって事だな。
さて俺の役目は…とりあえず呑みに行くか…。

2005.8.15
Tamacho
エッセイ | 投稿者 坂東海 00:01 | コメント(0)| トラックバック(0)
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