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Scene 14 [小さな恋のメロディ]

[Another Side of Tennis]
坂東 海

Scene 14
[小さな恋のメロディ]

大学を出てすぐに高1から付き合っていた彼女と結婚した。
周りは「早すぎる」と言ったけど、その人達は以前「6年も付き合ってていつ結婚するんだ?」と言ってたし、そのうち「遅すぎる」と言い出しただろう。

中1からテニスを始めて、何とか関東学生に出れる位になっていた僕はもう少し選手生活を続けたくて、先輩がいるテニススクールでアルバイトコーチをしながらトーナメントを回っている。
ラケットやシューズはメーカーが提供してくれている。
「選手層が厚いアメリカじゃ本当のトップじゃないと用品提供なんかしてもらえない。日本のテニス選手は恵まれすぎてハングリー精神が足りない」なんて話も聞くが、その通りだとも思う。
「選手、コーチと言えばカッコイイが要するにプータローだ」と親は言う。
今26歳。
トップ選手にはなれないけどJOPの上位なら何とかなる年齢だ。

テニススクールでは皆に大事にされ必要とされているのを感じる。
負ければそこにいる理由がこれっぽっちもないトーナメント会場とは大違いだ。
大金を稼ぎたい訳じゃあないが、家族のことを考えるとつい(もう選手は諦めてコーチ一本に絞ろうかな…それとも堅気になろうかな…)と考えてしまう。
実際、生活の中心がレッスンになっている気もする。

彼女はずっと応援してくれている。
義父母達は「早く諦めさせなさい」と言っているんだろう。
いつも微笑んでくれている彼女には勿論感謝している。
ただ子供が産まれてから僕達は確実に不安を感じている。

この間、ダウンタウンが司会をしている歌番組を見ていたら赤いロングジャケッ
トを着た男がこんな歌詞を唄ってた。
“家族とか未来は重荷かい”Teenage Lust/Kai Band
子供の笑顔を見ると全てが報われた気がするけど、たまらない気持ちにもなる。

それでも、いつまでなんて考えたりはしない。
永遠にこの生活が続く訳じゃないのもわかっている。
でも期限付きの青春ごっこにはしない。

1996.10.12
Kudanshita※Kai Band(1974~)
日本初のスタジアムツアーを敢行したロックバンド。
ミスターチルドレン、ウルフルズ等に影響を及ぼす。
リーダーの甲斐よしひろは9月よりデビュー30周年ツアーを開催。
KAI | 投稿者 坂東海 00:01 | コメント(0)| トラックバック(0)
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